平成19年度第1回例会 7月14日(土)

受付開始 12:30〜
研究報告 13:00〜17:00


場所: 大東文化会館 大ホール

          東京都板橋区徳丸2-4-21 03-5399-7399

会場へのアクセス:東武東上線・東武練馬駅より徒歩5分



報告T 島田翔太(慶應義塾大学大学院)

発表題目:上博楚簡『柬大王泊旱』における「修郊」と、中国古代における「ケガレ」の観念

発表概要:上博楚簡『柬大王泊旱』は楚の旱魃を描いた説話史料であるが、そこでは旱魃
を解除して実りをもたらすため、王による「修郊」が行われている。報告者は、この行為
を「ケガレ」を除去するための「ハライ」にあたる行為として分析を試みた。古代中国で
は、雑草が生い茂り、作物の実りが阻害された状態を「穢」と言い、これに対して作物を
実らせる力を「徳」と言った。『老子』などではさらに敷衍されて「徳」は万物に秩序を
与えるものと解釈されるが、これは秩序に反するものとしての「ケガレ」の概念と対照を
なしている。これらのことから、『柬大王泊旱』における「修郊」は、「ケガレ」の生起
する「境界」のアナロジーとしての「郊」という場で、万物に秩序を与え、作物の実りを
もたらす「徳」を回復するために行われた行為であると見なすことができる。このような
作物の実りをもたらすマジカルな力の発揮、その役割を果たせなければ自ら犧牲となって
「殺祭」に供せられるという役割を王に与えている『柬大王泊旱』は、楚の王権のシャー
マニズムとの結びつきの残存を示す、王権の神話であると位置づけることができる。
司会:工藤元男(早稲田大学教授)



報告U 西山尚志(山東大学文史哲研究院博士生)

発表題目:『周易』に見える「亨小利」の読み方について

発表概要:
本発表では『周易』卦辞中に見える「亨小利」という言葉の原義的な読み方に
ついて検討するものである。通行本『周易』卦辞中には「亨小利」という言葉が三例あり、
馬王堆帛書『周易』にも兌卦に「亨小利」という言葉があり、合計四例見られる。これら
の「亨小利」という言葉は、歴代の注釈でもその意味・文の切り方などが定まっていない。
『周易』のように、通行本と比較できる出土文献は往々にして通行本の文字に当ててしまっ
たり、権威のある伝や注の意味に従って読んでしまいがちである。本発表では出土文献の
『周易』を用いて、可能な限り先入観を取り除いて「亨小利」の原義的な読み方を探って
みたい。
司会:未定

報告V 包慕萍

(東京大学生産技術研究所協力研究員・法政大学兼任講師・瀋陽建築 大学客員教授)

発表題目:内蒙古の風土と出土資料
発表概要:ここでは「風土」という概念を広義に用い、草原という環境、モンゴルの風習
などを表す。本発表では、そうした遊牧世界の祖型から出土資料を読み解くことを試み、
その事例として鳳凰山壁画を取り上げて、そのモンゴル的要素について考えたい。また、
発表者が専門とする建築史との関連で、明器の建築形象についても分析したい。
司会:渡部武(東海大学教授)  ☆参加費(資料代)500円


 ☆非会員の来聴を歓迎します
 ☆大会終了の後、キャンパス内で懇親会を行う予定です。ふるってご参加ください。

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